昨年のフォッサマグナに続いてのリクエストジオツアー。
今年のテーマは中央構造線。なんという壮大なテーマでしょう。
今回は南アルプスジオパークの中央構造線エリアを1泊2日でめぐってきました。

茅野駅からスタートし、杖突峠から中央構造線の谷間を南へ進みます。
途中途中にあるジオサイトで露頭や展望を観察。

こちらは板山露頭から見下ろした北方向の景色。
中央の谷を挟んだ左右の山は年代も地質も傾斜も違います。
向かって左側(西)が内帯で花崗岩、右側(東側)が外帯、結晶片岩で出来ているそう。
板山露頭からの谷_250513_012

美和湖のほとりにある溝口露頭
溝口露頭_250513_022520663


南アルプス林道でお花探しハイキング。
南アルプス林道_250513_05003


今回の最大のお目当てのお花、シナノコザクラ。
岩壁にいっぱい、可憐な花を咲かせていました。
シナノコザクラ_250513_04142

白いお花のチチブシロカネソウ。
こちらもシナノコザクラ同様に石灰岩に多いとのこと。
前日に富士山の西臼塚でハコネシロカネソウを見たばかりだったので、
サイズがとても大きく感じました。
チチブシロカネソウ_250513_0

ホテイランも観察することが出来ました。
お花がデメキンみたい。
ホテイラン_250513_044347546

ミヤマスミレ
ミヤマスミレ_250513_0431449

ミヤマカタバミ
ミヤマスミレ_250513_0447051


分杭峠でゼロ磁場を体験し、大鹿村の鹿塩(かしお)温泉に宿泊。
この温泉は、フィリピン海プレートが運んできた海水の塩分が地上に上がってきているため塩っぱい!
カラダが温まる温泉でした。

翌日は、中央構造線上の国道152線をさらに南下。
途中、不通区間が2箇所あり、国道ならぬ酷道と呼ばれる道。
武田信玄が兵を挙げて通ったという兵越峠を超え、静岡県へ。
崩れやすい岩で出来ている青崩峠も歩いて来ました。

青崩峠_250514_045318274
青崩峠にある遠信のいす

およそ1億年前に、日本列島が大陸の一部だったころに、大地が動いて出来た溝が中央構造線。
その溝が谷をつくり、縄文時代から塩の道として利用され
戦国時代には武田信玄が軍を率いて峠を超え
江戸時代に火除せの神にお参りする秋葉詣が流行り秋葉街道となる。
今は国道152号線、そこに三河、遠州、南信を結ぶ、三遠南信自動車道を建設中。
昨年、難工事の青崩トンネルが貫通し、全線開通すると中央高速と新東名高速が繋がるそう。

温泉や湧き水、山塩、その土地での郷土料理など大地の恵みをいただき、
珍しい植物や地形を見て地球の歴史を感じ、その時代の人々の暮らしにも思いを馳せる。
そんな時空を超える旅となりました。
ご参加頂きありがとうございました。